今月の人-3月-



産地に人あり

桃の品種改良に携わってから半世紀が過ぎました。福島で有名な桃の品種「あかつき」などは、私が担当していた頃に共同で命名したものです。
花ももの里は、それまで私が教鞭をとっていました宇都宮大学と、福島の果樹試験場が共同研究をすることから始まりました。新しい、貴重な樹木をどんどん供給しましたよ。ですから10年経った今でも、花ももの里で得られた貴重な研究資料が宇都宮大学に報告されています。
福島の試験場には優秀な卒業生がたくさんおりましてね、彼らがリーダーとなって協力してくれたおかげで、花ももの里が完成したわけです。私は全国各地で「桃源郷づくり」のお手伝いをしていますが、福島の花ももの里が一番見事ですね。いい技術者が揃っているからにほかなりません。
ここに植えられている日本独自の花桃の木などには、世界中から注目されているものもあることは意外に知られていないかもしれませんね。

恵まれた土地

飯坂町は花桃にとってとても恵まれた土地です。気候、温度、湿度、どれも環境としては素晴らしく、そこに温泉の効果で大きな花が咲くわけです。土壌もしっかりしているから根を張って木が大きくなる。そのため横に広がらずに縦に伸びていく。そして標高があるからきれいな色もつきやすい。花桃による街づくりをするのには最適な土地柄ですね。
もっと南にある県より飯坂町の花桃のほうが早く咲くことはご存知ですか?

飯坂町は果物がおいしいですよね。これは、一年を通じて寒暖の差が大きいからなのです。冬が冷えるということは虫がつきにくくもなります。でも一番の理由は、立派なリーダー、果物づくりの名人といわれる技術者が数多く活躍していることです。個人の技術として優れているだけではなく、仲間にその技術を教えることのできる指導者がたくさんいるからです。
観賞の花桃と、味覚の桃の両方を、ぜひ全国の方に飯坂町で味わっていただきたいものです。